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アオサギコロニーの密度依存の研究 [web鳥見]

アオサギコロニーの営巣数増加と密度依存に関する研究が、先日論文として出版されましたので、遅くなりましたがblogでもお知らせします。#heronjp

こちらは2013年3月10日の多摩動物公園のアオサギコロニー
CIMG4083.JPG

内容は多摩川中流域で16年にわたってコロニー創成期から巣数をカウントし、巣数の増加に密度依存があることと、密度要因に繁殖成功率や繁殖期間などのパラメータに関係があるかどうか調べたものです。

実際には巣の数は2007年をピークに頭打ちになる密度依存の増加となりました。おそらく利用できる資源に限りがあるからでしょう。また巣数の増加に伴って繁殖期間が伸びたり、1巣あたりの巣立ちヒナ数の減少、コロニー全体の繁殖開始の早まり、個々の巣の繁殖開始日のバラつきが大きくなったりしていることが分かりました。

また、個々の巣の繁殖開始日と繁殖日数を比較すると、早く繁殖を開始したものほど、繁殖期間が長くなる傾向がありました。営巣日数はあまりそのような傾向が見られなかったことから、繁殖期の最初はつがいの相互関係や、つがい外交尾の可能性があるため、コロニーでの繁殖は落ち着かないのかも知れません。

それから個々の巣の繁殖開始日と巣立ちヒナ数も比較したところ、早く繁殖を始めたものほど、巣立ちヒナ数が増える傾向がありました。繁殖の経験が長いものほど早く繁殖を始めて、ヒナも多く巣立たせられるのかも知れませんが、本当にそうなのかは分かりませんでした。

コロニー創設期から繁殖地を観察して巣数や繁殖成功率などを記録し続けた研究はあまりなかったと思います。やや長期で繁殖コロニーを観察していると、コロニーがこれから大きくなるか/安定するかについての予測が立てられるかも知れません。

論文はオープンアクセスなので、本文は下記から自由にご覧頂けます。
http://www.hindawi.com/journals/ijz/2013/404065/

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