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鉄道博物館特別企画展 越境のドラマ 〜峠を越える鉄道の物語〜 見学記 [乗り物]

大宮にある鉄道博物館で1月13日まで開催されている企画展、「越境のドラマ 〜峠を越える鉄道の物語〜」を見てきました。

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内容は、明治以降、東京大阪間の鉄道の敷設からはじまり、長野新幹線までの峠越え克服の歴史を一同に集めた展示でした。

鉄道は鉄の車輪で走るため、摩擦抵抗が少ない代わりに勾配に弱いという特性があります。そのため車よりも緩い勾配で線路を敷くルートを選んだり、車輪の回転数を少なくしてパワーを上げたり、ラックレールを利用して摩擦力を増やす必要があります。峠や山岳地を、大量の人や荷物を通すために、様々な技術と情熱が注ぎ込まれてきました。

この展示では碓氷峠と上越線について詳しく展示されていました。碓氷峠が開通当初は1時間以上かかって走っていて、最高速度は8km/hほどだったというのは驚きです。なにしろ開通当初はアプト式の蒸気機関車が牽引していたので、無理はありません。その後、輸送力の向上のため、アプト式電気機関車の導入を経て、アプト式を使わない方式となりスピードも輸送力もUP、さらに新幹線になったことはご承知の方も多いでしょう。

信越本線はよく乗っていて、峠越えや急勾配の技術はよく知っているつもりだったのですが、その経緯や、その後、磐越西線、上越線と開通して幹線としてのルートが変わったことについては詳しい事は知らかったので、簡潔でよく分かる展示でした。また貴重な資料や写真が多く、鉄道開通後の長野や新潟の発展についても展示がありました。

中でも、信越線がそもそも中山道ルートとして作られていたのに、地形を克服できず、太平洋と日本海を結ぶ路線へと位置づけが変わった点も興味深いです。信越線の碓氷峠について南側のルートにこだわっていた点が面白いのですが、谷が国道の南側に多かったからなんでしょうか…

信越線と上越線を比較すると、トンネル掘削の技術や勾配に対応できる車両側の技術が次第に向上していくのは良くわかりました。なぜ上越線の土合駅に地下ホームがあるのかも、トンネル掘削の技術向上によるものだと分かります。

また、EF63の電磁ブレーキの実物や、補機のいらない、幻の187系特急車両の設計図の原図が展示されているのも、この展示ならではで、すばらしいと思いました。

勾配克服のためのスイッチバックやループ線の理屈や形態、摩擦の基本的な話、急勾配を体験できるスロープなど、基本的な内容を実感できる展示が工夫されてたのは良いと思います。

スペースの都合からか、他の勾配区間は写真だけだったり、駅での停車時間での乗客や乗務員の様子、駅弁の立ち売りの様子などが少し物足りない感じが… 勾配区間の標高の分かる地図があったり、今では味わう事のできない、長距離を長時間かけて移動していたころの旅の楽しみや苦労など、人の様子が分かるがもっとあると、内容の深みが増すなぁと思いました。

図録を手に入れたので、また後でじっくり読みたいと思います。あ、写真には余分な物も入ってますがw
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実はこの日、私はD51のシミュレーター体験をやったのですが、体験した後だったので碓氷峠での蒸気機関車運転の苦労は個人的にはよく分かりました。ということで、写真はD51のシミュレーター(体験料金500円。当然、碓氷峠や上越線は走りませんw)
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企画展の内容はこちらからどうぞ
http://www.railway-museum.jp/press/pdf/201321030913HP.pdf

鉄道博物館
http://www.railway-museum.jp/


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