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日本鳥学会函館大会雑感 [鳥見日記]

9月19日~22日に行われました、日本鳥学会函館大会は、無事に終了しました。大会関係者の皆様お疲れ様でした。来場者は400名に近かったとか。口頭発表の会場では、講演によっては通路にも座る人がいるぐらいびっしり埋まりました。

写真は北海道大学函館校の入口にあった立て看板
CIMG0664.jpg

シンポジウムはバイオロギングと呼ばれる、動物に装着できる、軽量で負担の少ないデータロガーを用いた研究について講演がありました。GPSなどを利用した位置情報の記録をはじめ、移動するときの力のかかり具合を検出し記録する装置、体温を測って記録する装置などさまざまあり、捕獲技術とお金さえあればこのような装置を利用して、目的に応じた研究ができるという、使ったことのない人にとっては魅力的な研究紹介だったと思います。

こんな本も紹介されていて、会場では特別価格で販売されていました。

バイオロギング―最新科学で解明する動物生態学 (WAKUWAKUときめきサイエンスシリーズ)

バイオロギング―最新科学で解明する動物生態学 (WAKUWAKUときめきサイエンスシリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 京都通信社
  • 発売日: 2009/09/28
  • メディア: 単行本



自由集会でもバイオロギングの詳細な研究紹介や技術的紹介がありました。それから、別の自由集会では、鳥の鳴き声を録音して、どのような種類の鳥がいるか調べる方法も紹介されていました。どうしても鳥屋さんは鳥のことを中心に狭い範囲で考える向きの方もいらっしゃると思いますが、もうすこし学際的に、他の技術を応用できるような研究ができたり、逆に研究成果を他の分野でも活用できるような応用の仕方を考えさせられる4日間になりました。

以下、いろいろな発表の中から、個人的に興味のあったものについて紹介します。

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20日の発表から

・ゴイサギは繁殖の時のヒナへの給餌には、吐き出しと口移しの2種類があって、吐き出しを長くやっている親のヒナは成長が良く、生残率も良い。

・クロツラヘラサギのねぐら回復に、デコイが役立つ

・ヤマドリは一夫多妻だが、1羽にしか求愛行動しない

・オーストンオオアカゲラはオオアカゲラに系統的に近い

・リュウキュウコノハズクの3亜種には方言がある

・ダイトウメジロは、年をとるにつれて、隠蔽率の高い場所を巣場所にできるようになる。

・オナガガモが春の渡りの時にウロウロする。結氷していない場所を点々としているのではないか。

・ウミネコの防衛行動で、攻撃的な個体は全体の30%。卵の生残では、臆病個体の方が高いが、ヒナの生残では、攻撃的な個体のそばで繁殖する臆病個体の繁殖成功率が上がる。

・人工衛星で鳥の渡りを調べるのに利用する「アルゴスシステム」の誤差は、受信の特性などから150m〜20kmある。

21日の発表から

・小笠原・西島で、ネズミを排除したところノスリがいなくなった。アナドリが繁殖するようになれば、ノスリが戻ってくるかも

・モンスターカラス(刺激しなくても攻撃してくるカラス)を作らないようにする方法。繁殖巣を除去すると、他の巣のヒナを暇をもてあそんでいじるので除去せず、刺激しないこと。

・放鳥されたコウノトリ、公園に依存するものもあれば、季節によって生息場所を変えるもの、渡りの行動を残しているようなものがいた。

・日本のライチョウの推定個体数、20年前と比較して、3000羽から1637羽に減少

他に思い出したことがあったら、追加します。(上記内容は聞いたままなので、公式のものではありません)

ちなみに、私の発表ポスターはこちらです。
CIMG0683.jpg

なお、来年の大会は千葉県船橋市の東邦大学で開催されます(私の母校です[たらーっ(汗)]

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