SSブログ

散歩の達人MOOK 京王線完全案内/交通新聞社(刊) [読書]

京王線完全案内

京王線完全案内

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 交通新聞社
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 大型本

このところ、散歩の達人MOOKで、沿線の完全案内が続々刊行されたということで、今回は京王線完全案内を紹介します(あと小田急線と都電荒川線もありますが)。
京王線完全案内は京王線と井の頭線の主要な名所やお食事スポットなどをとりあげ、散歩の達人流に紹介しています。なんといっても、表紙を開けると、京王線と牛の写真。どこだかわかりますかね?(私はこのあたりを良く歩いているので、分かってしまいました)

絵地図では知る人ぞ知る、村松昭さんが登場したり、京王稲田堤駅近くの多摩川に店を開く、おでん屋さん、多摩丘陵尾根ハイウェイと称した、多摩丘陵の尾根歩きなど、いろいろ。多摩丘陵のことは良く知っていますが、沿線のお店は良く知らないところが多いので、良く読んでみようと思います。120ページぐらいなので、内容は厳選した感はあります。(路線が短いので小田急線完全案内よりは充実していると思う)

多摩動物公園のライオンの写真はちょっと笑ってしまいましたが...

関連書籍:

小田急線完全案内/散歩の達人MOOK
都電荒川線完全案内/散歩の達人MOOK
野川散策絵図/村松昭(著)
多摩川散策絵図―源流から河口まで/村松昭(著)


アースダイバー/中沢新一(著) [読書]

アースダイバー

アースダイバー

  • 作者: 中沢 新一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/06/01
  • メディア: 単行本

大地の凸凹ファンには衝撃の一冊となった、この本。ひょんなことで手に入れたので、早速読んでみました。

 本文によると、アースダイバーとは、東京の大地の凸凹を縄文地図を持って歩きながら、凸凹に秘められた、地名や歴史、風俗などの秘密を読み解く人のことのようです。
 なぜ、縄文地図かというと、歴史上、一番最後に東京に海が入り込んだのが、縄文時代(縄文海進)。その頃は、入りくんだ谷は海となり、リアス式海岸のような地形になっていたわけです。海が引くにつれ、堆積物がたまった遠浅の海は谷になって現れました。縄文人は海の見える斜面に墓地や貝塚を築き、岬状の台地は神話的な場所になっていたということ。今となってはビルや街に埋もれてしまった地形に秘められた謎は、縄文海進の跡をたどると解明できる、というわけ。

 以下、感想。東京というのは、台地面と低地の組み合わせが単純で、かつコントラストがはっきりしていて、凸凹を歩くと面白い、というのは10年以上前から知っていました(学校の帰り、結構、山手線の内側をウロウロしたことがある)。しかし、東京の凸凹がどう面白く、その概要がどうなっているのかや、街の成り立ちに地形が関係していることを紹介したのは、この本がはじめてだと思います。神話的な視点、もしくは地形的な乾湿によって街ができあがった、というのは、なるほどな、と思いました。(そういえば、東京の坂道を紹介した、「タモリのTOKYO坂道美学入門」や、多摩丘陵や三浦半島の地形が、宇宙空間からみるとイルカの形にみえるということを紹介した「いるか丘陵の自然観察ガイド」という本も、地形のつながりに注目しています。)
 凸凹がとにかく面白いんだ、という、私が求めるものとは少々違いますが... 求めているものとは、なんでしょうか。見えなかった尾根の向こう側の風景が見えてくるから、でしょうか。まだ不定です。

 本文では、哲学や神仏と、東京の凸凹とを関連づけていますが、事前の知識がないと、やや理解しにくいと思います。それはとこかく、ともすると、地形的な差別非差別が蒸し返されがちなネタですが、それにはあまり触れることがなく書かれています。著者が哲学者で、哲学的なものと結びつけていく文の流れは、寸止めに効いているのかもしれません。

この記事に関連した書籍:

タモリのTOKYO坂道美学入門

タモリのTOKYO坂道美学入門

  • 作者: タモリ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/10/16
  • メディア: 単行本



いるか丘陵の自然観察ガイド

いるか丘陵の自然観察ガイド

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。